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オーバーサンプリング [essay about audio]

44.1kHzのサンプリング周波数で標本化されたディジタル信号を
アナログ信号に変換する際、理想的なフィルターがあれば22.05kHzまでの
音声信号が再生できるということになっている。

ところが、アナログフィルターは存在するだけで確実に音声信号に影響を
あたえてしまうし、急峻な物を設計しようとするとさらに影響は大きくなる。

そこで、ディジタル信号のまま数倍のサンプリング周波数で再標本化(オーバーサンプリング)しておいて、
そのあとにアナログ信号に変換すれば、アナログフィルターはそれほど急峻でなくて済むので、
音声信号に与える影響も、いくぶん低減できる。

この手法は、80年代前半からCDプレーヤーですでに利用されており、それほど特別なものではない。

問題は、オーバーサンプリング時にロー・パスのディジタル・フィルターを通す必要があること。
ディジタル・フィルターによる精度の高いロー・パス・フィルターを実現するには、
高い演算性能が必要なこともさることながら、精度を求めるほどメモリーを必要とする。
80年代のフィルターはタップ数が数次から数十次と低く、
また、オーバーサンプリングを何度も重ねることで数倍の周波数で再標本化していた。

2000年代に入って、DSPの進歩やメモリーの低価格化が進み、
dCSなどから極めて高い精度でオーバーサンプリングする製品があらわれた。

また、パソコンでwavファイルが扱えるようになったため、
やはり高い精度でオーバーサンプリングすることが出来るようになった。
パソコンでは、量子化ビット数も24ビットまで扱えるので、
せっかくオーバーサンプリング時の演算結果32ビット精度の結果が得られた
としても(16ビットの音声データに16ビットの係数を掛けると
32ビットのデータになる)精度をそれほど切り捨てずに有効利用することが出来る。



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