デジタル・アンプ [essay about audio]
デジタルアンプもこれまでは効率や省スペースの観点での採用が多かったが、最近はあくまで音質的にも十分意欲的な製品が増えてきたように思える。
ただデジタルアンプという名称は、いくぶん理解の妨げになっているようにも思える。
オン・オフの制御によって電圧を制御しているという点では、アナログ・アンプとはまったく
方式を異にしているが、そのオン・オフをいかに作り出しているかというと、
デジタル信号ではなくアナログ信号をもとにタイミングを制御している製品がほとんどである。
絵でいうところの「点描」にあたるPDM方式アンプでは、デジタル信号からそのまま
オン・オフの切り替えタイミングを得ていたが、PDMはシャープでの採用例を最後に
市場では姿を見なくなったように思う。
PWM方式のアンプでは、たとえデジタル入力端子を持っていても、
いちどアナログ信号に戻した上でオン・オフのタイミングを決めている場合が多いが、
これは規模が小さくとも精度の高い回路が得られるという理由によるものだろう。
なので、デジタルアンプによっては、というより多くのデジタルアンプの場合には
デジタル入力するよりも、高品質のアナログ信号を入力したほうが高音質を得られることが
多かったりする。
ただデジタルアンプという名称は、いくぶん理解の妨げになっているようにも思える。
オン・オフの制御によって電圧を制御しているという点では、アナログ・アンプとはまったく
方式を異にしているが、そのオン・オフをいかに作り出しているかというと、
デジタル信号ではなくアナログ信号をもとにタイミングを制御している製品がほとんどである。
絵でいうところの「点描」にあたるPDM方式アンプでは、デジタル信号からそのまま
オン・オフの切り替えタイミングを得ていたが、PDMはシャープでの採用例を最後に
市場では姿を見なくなったように思う。
PWM方式のアンプでは、たとえデジタル入力端子を持っていても、
いちどアナログ信号に戻した上でオン・オフのタイミングを決めている場合が多いが、
これは規模が小さくとも精度の高い回路が得られるという理由によるものだろう。
なので、デジタルアンプによっては、というより多くのデジタルアンプの場合には
デジタル入力するよりも、高品質のアナログ信号を入力したほうが高音質を得られることが
多かったりする。
ハイレゾ音源 [essay about audio]
かりに人間が20kHz以上の音声信号の差を検知できないとして、
96kHzや192kHzといった高いサンプリング周波数で録音することには意味や効果はあるのだろうか?
96kHzで録音するときには48KHz以上の信号が含まれないよう、
同様に192KHzで録音するときには96kHz以上の信号が含まれないよう、
ローパスフィルターを経由してからサンプリングすることになる。
このローパスフィルターは、やはり介在するだけで音声信号に影響を及ぼしてしまうし、急峻であればあるほど影響が大きくなる。
実際には自然界には20kHz以上の音声信号は少ないから、サンプリング周波数を192kHzにしつつ、ローパスフィルターに、特性をあまり欲張っていない、特性の緩やかなものを利用すれば(たとえば実際には20~30KHzまでの信号のみ通過する)、介在するフィルターによる影響を低くとどめることが出来る。
サンプリング周波数をあげたからこそ、緩やかなローパスフィルターの使用で済ませることが出来る、といえる。
これは最近のローパスフィルター(非ディジタル)のない一眼レフカメラとほぼ同じことだと説明できる。
一眼レフカメラの解像度が上がって、その能力は十分自然の周波数を超えているので、
ローパスフィルターがなくても、問題はほぼ起きない。
おなじ 1920x1024 の画像を得るとして、最初からそのサイズのCMOSセンサーを積んだカメラで撮影するより、その何倍もの画素サイズのセンサーを持つカメラで撮影し、あとからサイズ変更したほうが、よい結果が得られる可能性が高い。ローパスフィルターはなくてよいか、それほど高精度なものである必要はなく、
画像サイズを縮小する際に適用されるディジタル・フィルターによる影響も、アナログで急峻なローパスフィルターよりはずっとマシなものに抑えられるからである。
96kHzや192kHzといった高いサンプリング周波数で録音することには意味や効果はあるのだろうか?
96kHzで録音するときには48KHz以上の信号が含まれないよう、
同様に192KHzで録音するときには96kHz以上の信号が含まれないよう、
ローパスフィルターを経由してからサンプリングすることになる。
このローパスフィルターは、やはり介在するだけで音声信号に影響を及ぼしてしまうし、急峻であればあるほど影響が大きくなる。
実際には自然界には20kHz以上の音声信号は少ないから、サンプリング周波数を192kHzにしつつ、ローパスフィルターに、特性をあまり欲張っていない、特性の緩やかなものを利用すれば(たとえば実際には20~30KHzまでの信号のみ通過する)、介在するフィルターによる影響を低くとどめることが出来る。
サンプリング周波数をあげたからこそ、緩やかなローパスフィルターの使用で済ませることが出来る、といえる。
これは最近のローパスフィルター(非ディジタル)のない一眼レフカメラとほぼ同じことだと説明できる。
一眼レフカメラの解像度が上がって、その能力は十分自然の周波数を超えているので、
ローパスフィルターがなくても、問題はほぼ起きない。
おなじ 1920x1024 の画像を得るとして、最初からそのサイズのCMOSセンサーを積んだカメラで撮影するより、その何倍もの画素サイズのセンサーを持つカメラで撮影し、あとからサイズ変更したほうが、よい結果が得られる可能性が高い。ローパスフィルターはなくてよいか、それほど高精度なものである必要はなく、
画像サイズを縮小する際に適用されるディジタル・フィルターによる影響も、アナログで急峻なローパスフィルターよりはずっとマシなものに抑えられるからである。
オーバーサンプリング [essay about audio]
44.1kHzのサンプリング周波数で標本化されたディジタル信号を
アナログ信号に変換する際、理想的なフィルターがあれば22.05kHzまでの
音声信号が再生できるということになっている。
ところが、アナログフィルターは存在するだけで確実に音声信号に影響を
あたえてしまうし、急峻な物を設計しようとするとさらに影響は大きくなる。
そこで、ディジタル信号のまま数倍のサンプリング周波数で再標本化(オーバーサンプリング)しておいて、
そのあとにアナログ信号に変換すれば、アナログフィルターはそれほど急峻でなくて済むので、
音声信号に与える影響も、いくぶん低減できる。
この手法は、80年代前半からCDプレーヤーですでに利用されており、それほど特別なものではない。
問題は、オーバーサンプリング時にロー・パスのディジタル・フィルターを通す必要があること。
ディジタル・フィルターによる精度の高いロー・パス・フィルターを実現するには、
高い演算性能が必要なこともさることながら、精度を求めるほどメモリーを必要とする。
80年代のフィルターはタップ数が数次から数十次と低く、
また、オーバーサンプリングを何度も重ねることで数倍の周波数で再標本化していた。
2000年代に入って、DSPの進歩やメモリーの低価格化が進み、
dCSなどから極めて高い精度でオーバーサンプリングする製品があらわれた。
また、パソコンでwavファイルが扱えるようになったため、
やはり高い精度でオーバーサンプリングすることが出来るようになった。
パソコンでは、量子化ビット数も24ビットまで扱えるので、
せっかくオーバーサンプリング時の演算結果32ビット精度の結果が得られた
としても(16ビットの音声データに16ビットの係数を掛けると
32ビットのデータになる)精度をそれほど切り捨てずに有効利用することが出来る。
アナログ信号に変換する際、理想的なフィルターがあれば22.05kHzまでの
音声信号が再生できるということになっている。
ところが、アナログフィルターは存在するだけで確実に音声信号に影響を
あたえてしまうし、急峻な物を設計しようとするとさらに影響は大きくなる。
そこで、ディジタル信号のまま数倍のサンプリング周波数で再標本化(オーバーサンプリング)しておいて、
そのあとにアナログ信号に変換すれば、アナログフィルターはそれほど急峻でなくて済むので、
音声信号に与える影響も、いくぶん低減できる。
この手法は、80年代前半からCDプレーヤーですでに利用されており、それほど特別なものではない。
問題は、オーバーサンプリング時にロー・パスのディジタル・フィルターを通す必要があること。
ディジタル・フィルターによる精度の高いロー・パス・フィルターを実現するには、
高い演算性能が必要なこともさることながら、精度を求めるほどメモリーを必要とする。
80年代のフィルターはタップ数が数次から数十次と低く、
また、オーバーサンプリングを何度も重ねることで数倍の周波数で再標本化していた。
2000年代に入って、DSPの進歩やメモリーの低価格化が進み、
dCSなどから極めて高い精度でオーバーサンプリングする製品があらわれた。
また、パソコンでwavファイルが扱えるようになったため、
やはり高い精度でオーバーサンプリングすることが出来るようになった。
パソコンでは、量子化ビット数も24ビットまで扱えるので、
せっかくオーバーサンプリング時の演算結果32ビット精度の結果が得られた
としても(16ビットの音声データに16ビットの係数を掛けると
32ビットのデータになる)精度をそれほど切り捨てずに有効利用することが出来る。